R6Sコスプレ・装備再現応援。
今回はフランスの警察組織の特殊部隊であるGIGN(Groupe d’Intervention de la Gendarmerie Nationale)のオペレーターの装備する銃についてです。
メインウェポン
F2
Twitchのみが使用するアサルトライフル。実銃の名称はGIAT FA-MAS F1。その特徴的な見た目から「le clairon(=クレーロン、軍隊ラッパの意)」の通称で知られるフランス軍のアサルトライフルです。
イギリスのL85と同じく、ブルパップ型(機関部およびマガジン挿入口がグリップより後方に配してあるタイプの銃)のアサルトライフル創生期のモデルであり、その後に開発されたブルパップのアサルトライフルに比べると問題点を抱えた銃ではあるのですが、動作の安定性や集弾性能は良好らしく、改良を加えたG1やG2といったモデルが出ている現在でも、初期型であるF1が使用され続けているようですね。
現在は、2017年より2027年までを目標にH&K HK416F(フランス軍仕様のHK416だから"F")に順次装備を更新していっている途中みたいです。
英SASに採用されなかったL85と異なり、こちらのFA-MASはちゃんと実際のGIGNに採用されています。
トイガンでは、東京マルイより電動ガンが発売されています。・・・というか、東京マルイのFA-MASこそが「世界初のオートマチック電動エアソフトガン」だったりします。ちなみに、発売された当初はまだホップアップ機能が搭載されておらず、弾が全然飛ばなかったんだそう。なんだか歴史を感じますね。
ただ、ゲーム内のF2がキャリングハンドルに装着しているような、フルレングスのピカティニーレールは海外の個人製作のもの以外は見つかりませんでした。なので、レール装着&アイアンサイト搭載という形には出来ません(ただし、長さが短いレールなら存在しますので、ドットサイトなどは載せられます)。さらに言うと、そもそも初期状態のF2に装着されているアイアンサイトがどこ社の何という製品なのか、ついに分かりませんでした。くやしい。
エチゴヤ公式サイト 東京マルイ FA-MAS用スコープマウントベース
それ以外の部分は、初期状態でのフラッシュハイダーがファマス独自タイプではなくM16系のバードケージハイダー(下半分に穴が開いていないタイプ)を装着しているくらいでしょうか。もっとも、マルイファマスのバレル先端はM14逆ネジ仕様になっていないらしく、したがってハイダーをカスタムすることは出来ないようです。
417
Twitchのみが使用するマークスマンライフル。実銃の名称はH&K HK417。ドイツH&K社製HK416シリーズを大型化したような銃で、使用弾薬は7.62×51mm NATO弾。ちょうど「AR-15系」に対する「AR-10系」に相当する位置づけですね。
ちなみに、マークスマンライフルというのは略称で、正式には「Designated Marksman Rifle(=デザイネイテッドマークスマンライフル)」というのだそう。同じく略称でDMR、と呼ぶのはこのためです。
マークスマン(選抜射手)とは一般の歩兵と狙撃手(いわゆるスナイパー)の中間のような存在で、だいたい距離にして800m以内の標的に対して素早く正確な射撃を行うための訓練を受けた兵士のこと。スナイパーに比べて敵との交戦距離が近いマークスマンは、場合によっては接近戦にも対処できるようにしておく必要があるみたいです。
そんなマークスマンのための銃なので、マークスマンライフルはいわゆる「スナイパーライフル」と呼ばれるようなボルトアクションの銃に比べて、オートマチック機構で速射性に優れるのが特徴です。
ちなみに、Twitchの417はセミオートオンリーになっていますが(おそらくゲームバランス上の都合)、本来のHK417はフルオート射撃も可能です。H&Kはマークスマンライフルとしての運用よりも、大口径アサルトライフルとしての運用を想定していたのかもしれませんね。
HK417は、HK416とともに実在のGIGNにもちゃんと採用されています。UBISOFTグループは本社がフランスにあるので、自国の特殊部隊に関してはしっかり作り込んであるようですね(笑)。
トイガンでは、東京マルイより次世代電動ガンが発売されています。従来のマルイ純正モーターよりさらにハイトルク(&めっちゃ高価)な「サマリウムコバルトモーター」を内蔵した事でも発売当時話題になった商品です。
これがもうゲーム内イメージほぼそのままです。微妙に違う点があるとすれば、ストックのバット部分の形状でしょうか(ゲーム内だと外側に膨らんでいるが、マルイ製は少し内側に凹んだような形)。特に大きな問題では無いため、気にする必要は無いと思われます。一番の問題は本体の値段なので。
SG-CQB
Montagne以外のGIGN隊員が使用するショットガン。実銃の名称はFABARM SDASS Compact。イタリアの銃器メーカーFABARM社製のポンプアクションショットガンシリーズであるSDASSの折りたたみ銃床モデルです。ただし、実銃との間には微妙な差があり、実際のSDASS Compactにはレシーバートップにピカティニーレールが無いのですが、ゲーム内ではレールが付いています。特注品、ということでしょうか?
元々はドイツH&K社と提携して開発した銃で、その際は「FP6」の名で販売されていたそうです。その後数年でH&K社との関係は解消、FABARM社のショットガンとして発売されることに。
ちなみに、2019年12月現在のFABARM社公式サイトには、SDASSシリーズのCompactモデルは載っていません。
海外のサイト等も確認しましたが、GIGNが使用しているショットガンはRemington・Franchi・Beneliと書いてありました。なので本銃はおそらく実際のGIGNには使用されていないと思われます。
トイガンでは、残念ながらいまのところどこからもモデルアップされていません。
アイアンサイトは同じくイタリアのLPA Sights製SHT03Wというモデルです。Beneli M4(M1014、FBI SWATの時に出てきたショットガン)もコレとほぼ同じ形状のアイアンサイトである同社製SHT04R(と思われる)が標準装備だったので、イタリアの銃器メーカーから出ているショットガンにとっては定番のサイトなのかもしれませんね。
コスプレの際には、アイアンサイトがほぼ同じモデルであること、フォアエンドの停止位置などから、FBI SWATの時に紹介したM1014のトイガンを使用するのが楽で良いと思います。どうせ公式がCastleのムービーにSG-CQBを登場させているので、逆をやっても怒られないと思います(笑)。
MP5
DocおよびRookの装備できるサブマシンガン。実銃の名称はH&K MP5A3 MLI。H&K社の誇る傑作サブマシンガンシリーズで、「MLI」は「Mid-Life Improvement」の略だそう。調べられる限りでは、2014年のショットショーの時点で登場していたモデルで、本体に「RAL8000」という黄色っぽい仕上げを施してあること、レシーバートップにQDマウントベース、ハンドガードにkey-modのスロットを設けてあることなどが特徴。
「傑作」と呼ばれる所以はその命中精度にあります。MP5登場以前のサブマシンガンでは、戦場での動作の安定性を重視して、「オープンボルト式」という撃発方式(停止状態では銃のボルトが後退しており、引き金を引くとボルトが解放され前進、銃弾を薬室に送り込み、同時に撃針が雷管を叩いて弾が発射される仕組みのこと。機構が単純で済むため信頼性が高かった)を採用するのが常識だったのですが、この方式だと引き金を引くと同時に重量物であるボルトが前進するため、弾が発射されるまでに銃が暴れる傾向にあったそうです。しかし、MP5では「クローズドボルト式」、つまり最初からボルトが前進した状態であり、引き金を引くとハンマーと撃針だけが動く構造を採用したため、命中精度が非常に向上したそうです。その精度のおかげで、近距離であれば簡易的な狙撃銃として使うことも可能なんだそう。
MP5は多数のバリエーションがあるため、どのタイプが採用されているかは分かりませんが、実際のGIGN隊員も、MP5を使用しているようです(MLIは新しいモデルなので、使用していないかもしれませんが)。写真で多く見かけたのが、GIGN隊員の装備するバイザー付きヘルメット(ゲーム内でも装備しているあれです)のバイザー部分を下ろしたままでも狙えるように、下方向に大きく曲がった「バイザーストック」という銃床をとりつけてあるMP5でした。
トイガンでは、「MP5」は国内外問わずいろんなメーカーから発売されています・・・が、「MP5A3 MLI」のトイガンはモデルアップされていないようです。ですので、自分の気に入ったメーカーのMP5を自分でRAL8000っぽい色に塗装してしまう、というのがいいかと思います。個人的にはBOLT AirsoftのMP5 A5 Tactical B.R.S.S.が見た目が近く、レールハンドガードもあるので良いと思います。
BOLT Airsoft Japan公式サイト MP5 A5 Tactical B.R.S.S.
P90
DocおよびRookが使用するサブマシンガン。実銃の名称はFN P90。「P」は「Project」のことで、90年代に向けてのプロジェクト、的な意味なのだそう(銃自体が設計されたのは1980年代)。以前SASのMP5Kの説明の際にお話しした「PDW」というジャンルの銃の元祖で(「PDW」という名称の元祖はMP7の初期の名前からだが、先に設計されたのはP90の方)、 専用に設計された5.7×28mm弾を使用します。
当初は戦時中における後方要員の自衛用火器として設計されたのですが、「閉所での戦闘に適する小型軽量な銃で、ある程度のアーマーなら貫通できる」という仕様が対テロ作戦や立てこもり犯対策にもってこいだったため、どちらかというと現在はそういった用途がメインになっているみたいですね。
こちらの銃も、実際のGIGNに採用されています。やっぱりフランスだけはこだわってる説(笑)。
トイガンでは、東京マルイ、Cybergunより電動ガンが発売されています。東京マルイ製なら「P90 TR」がフラットトップレール仕様でゲーム内イメージ通り、しかもサイレンサーおよび通常ハイダーの両方が付属でお得です。Cybergunのほうは刻印がリアルだし見た目もまんまですが(しかもお値段もマルイ製とさほど変わらず)、入手性は悪いかもしれません。
で、アイアンサイトですが・・・リアサイトはSG-CQBと同じLPA Sights製SHT03Wなのですが、フロントサイトはなんだかよくわかりませんでした。見た目はHK416タイプのフロントサイトを低くしたような見た目なんですが・・・僕の検索力不足でしょうが、もしかしたら実物は無くて、ゲーム内のグラフィックを流用している場合も考えられます。P90を装備する際は、ドットサイトなどを載せるのが良いと思います。
サブウェポン
P9
GIGNの全隊員が使用するオートマチックハンドガン。実銃の名称はFN FNP-9。ベルギーFN Herstal社が製造しているポリマーフレームオートで、「9」からわかるように9mmパラベラム弾を使用します。使用弾薬違いのバリエーションとして、「357(.357SIG弾)」、「40(.40S&W弾)」、「45(.45ACP弾)」があります。
現在では、後継機種である「FNX」シリーズ、さらにFNXシリーズをストライカーファイアに改めた「FNS」シリーズも登場しているようですね。
実際のGIGN隊員が使用しているオートマチックハンドガンはGlockやSIG Sauer製という事なので、おそらく実際には使用されていないと思われます。
トイガンでは、残念ながらFNP-9はモデルアップされていないのですが、後継機種のFNX-45のガスブローバックガンが東京マルイから発売されています。ただ、FNPとFNXはスライド形状等は近いものの、グリップフレームやマガジンの形状はかなり印象が異なるため、全く違う銃に見えてしまうかもしれません。それに比べると、Cybergunより発売されているFNS-9のほうが、ハンマーこそ無いものの、全体的なシルエットはかなり近い印象です。どちらを選ぶかは、好みによりますね。
(Cybergunの公式サイトには、商品紹介ページは無くファイルサイズの大きなカタログがあるのみなので、リンクは貼らないでおきます)
LFP586
GIGNの全隊員が使用するリボルバーのハンドガン。実銃の名称はS&W Model 686。アメリカの銃器メーカー、というかほぼ拳銃メーカーのSmith&Wesson社から発売されている回転式拳銃で、.357 S&W Magnum弾および.38Special弾(.38Special弾の装薬量を増やし、薬莢長を伸ばしたのが.357 S&W Magnum弾。従って、.357 S&W Magnum弾を使用できるリボルバーは.38Special弾も使用できるようになっている)を使用できます。
「LFP」としたのはおそらくですが「L Frame Pistol」の略でしょう。「Lフレーム」というのはS&W社が自社のダブルアクションリボルバーのフレームに大きさ別でつけている名前の一つで、一般的なものは小さい方から
・Jフレーム(コンパクトフレーム。秘匿携帯用の銃が多い)
・Kフレーム(小型フレーム。「ルパン三世」の次元の愛銃Model 19はこのフレーム)
・Lフレーム(中型フレーム。おそらく一番つぶしがきくフレーム。)
・Nフレーム(大型フレーム。「ダーティーハリー」で有名なModel 29はこのフレーム)
があります。他にも、
・Xフレーム(超大型フレーム。無駄に強力なカートリッジに対応出来る。)
・Zフレーム(410番のショットシェルを発射出来る「Governor」専用フレーム。)
などの変わり種も。
で、なぜ正式名称が「5」86ではなく「6」86かといいますと、S&Wの拳銃には「同じ銃だけど、フレームの材質が違う」というパターンの製品が多く、大抵は炭素鋼で作られ表面がガンブルー処理された(見た目が青っぽい黒になる)モデルと、ステンレス鋼で作られた表面がシルバーのモデルの2種類があります。また、その場合ステンレスモデルには大抵モデルナンバーの頭に「6」が付くという法則があります(例えばModel 19のステンレス版はModel 66、Model 29のステンレス版はModel 629など。)。で、上に載せた画像だと光の加減で黒っぽく見えますが、ゲーム中に見てみるとシルバーですので、このモデルはModel586(炭素鋼製のLフレーム.357マグナムリボルバー)ではなく、Model 686(ステンレス製のLフレーム.357マグナムリボルバー)の方だ、というわけですね。
実際のGIGNの話ですが、実はGIGNは世界でも稀に見る「リボルバーを使用する特殊部隊」という事で有名です。基本的にはフランスのManurhin(マニューリン)製MR73という.357マグナムリボルバーを使用しているようですが、S&WのModel 686も使用しています。
で、多くの方は「なぜ今時リボルバー?現代のオートマチックは優秀でそんなに頻繁にジャムらないし、なにより装弾数も多いじゃん」と思われるでしょう。というのも、よく「リボルバーの利点」として挙げられる特徴の最たるものが「ジャムらない」であるため、ちゃんと現代オートの良さを知っている方にはそれが利点としては弱く感じられてしまうんですね。すごく分かります。
実は、日本ではあまり取り上げられませんが、リボルバーはバレルとサイトの位置関係が常に一定に保たれる(固定されているから)ため、普通に市場に出回っているリボルバーでも、ガンスミスによって入念に仕上げられた特注のマッチグレードのオートマチックピストルと同等くらいの命中精度が出せる、という特徴があります。オートマチックは基本的にスライドやバレルが動きますから、どれだけタイトに噛み合わせてもわずかにカタつきます。そのせいで、どうしても命中精度を維持するのが大変なんですね。
もちろん、軍や一般の警察官の仕事においてはオートの方が利点が多いのでそちらが採用されますが、GIGNは例えばテロリストや武装犯に人質が取られているなど、絶対に人質に弾が当たってはならないような状況で仕事をするため、この「命中精度」を重視したみたいです。これはMR73の方の話ですが、近距離で狙撃銃等を使用すると貫通力が高すぎて危険なため、スコープとバイポッドを着けて、簡易的な狙撃銃としての役割を担わせるケースもあるようですよ。
トイガンでは、マルシン工業よりXカートリッジガスリボルバーとしてM586、M686の両方が発売されています(ただし、バレル長が4インチ仕様だと思われる。ゲーム内のモデルは6インチバレルっぽい?)。グリップの材質や形状違いでいろいろバージョンがありますが、木製グリップ仕様がゲーム内イメージと同じになります。コスプレだけであれば、同社から発火モデルガンのM686(こちらは6インチバレル仕様)が出ていますので、こちらの方がより再現度が高いです。ちなみにゲーム内イメージの方は現行モデルに近く、上下非対称形状のサムピースとキーロックを作動させるための穴が再現されていますが、マルシン製ガスガン・モデルガンはどちらも『プリロック』、つまりキーロック機能が標準装備される前の時代のモデルを再現しているため、サムピースは上下対称の形状でキーロックの穴が無いという心底どうでもいい違いがあります(笑)。
マルシン工業公式サイト S&W M686 X-cartridge
(↓は左からガスガン、ガスガン組み立てキット、発火モデルガン組み立てキット)
ちなみに、以前も申し上げましたがマルシン工業のホームページは基本当てにならない(HPに紹介ページが無くても発売・再販される事の方が多い)ので、マルシンの公式ツイッターやショップのマルシン製品入荷情報等をチェックすることをオススメします。
さて、今回はここまで。なんというか、LFP586の項目だけ文章が長くなってしまった気が(笑)。これでも削った方なのですが・・・好きな銃なのです、申し訳ない。
次回はスペツナズ編。皆さんのサバゲー・コスプレの参考になれば幸いです。
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